小さな子供が泣いていたら
大丈夫だよ、と優しく声をかけてあげるのが
大人の役目というものだ
悲しくて、寂しくて、不安で、
涙を綺麗な瞳いっぱいに貯めている
可哀想な小さな子供
思わず抱きしめてあげたくなるような
か弱い存在、愛おしい存在
あなたにも、そういう時代があったはずだ
幼かったとき
まだ何も知らない
純粋無垢で、無条件で、
可能性が広がっていて、
何もかもが鮮明だったあの頃
しかし、人は生きていく中で
あらゆることを学習する
これをやってはダメ
あれをやると怒られる
これをすると褒められる
そうやって少しずつ
『社会性』というものを身につけていく
お利口さんになっていく
上手く生きていくために
人間社会で通用する大人になるために
しかし大人になることは
どうしてこんなにも苦しいのだろう
たくさんの傷を受けて
これ以上の痛みや涙はいらないと
人は自身の心にたくさんの壁を作っている
自分自身を守るために
もうこれ以上傷つかなくてもいいように
大人になっていく過程で
身につけた社会性という鎧を
ひとたび脱いでみれば
そこには幼かった昔のあなたがいるだろう
そいつを人は神と呼ぶ
神は、自身を無条件に支えてくれる存在
どんな時だって信じられる存在
進むべき方向性を照らし導いてくれる存在
ならば、神はあなたの中にいる
社会性を身につけていく中で捨て去ってきた
幼き日の純粋性の中に
あなたの神はいる
あくまで、『あなたの神は』だが
神は祈り捧げるものでも
どこか超越した超自然的な存在でもない
守ってあげるべき存在だ
神はどこまでも現実的な存在で
向き合うことに痛みを伴う
これまで自身がたくさんの痛みと涙を伴って
建造してきた重厚な壁を
自らの手で破壊していかなければならないからだ
あなたの神は
その壁の中で
泣いているだろう
会いに行って慰めてあげなくてはならない
それが、大人の役目だからだ
あなたがやるべき事だからだ
いつだって自身の北極星たりえるものは
自分自身に他ならない
守ってあげるんだ
幼き日の自分自身を
自己の奥深くと向き合えなければ
一生周りに振り回されて生きることになるだろう
自分自身の中にあるものを見極め
己のことは自身でどうにかできる人にならなければ
他人を守ることなど出来ない
人を守りたいのならば
泣いているあなたの神を
まずは慰めに行かなくてはならない
あなたの神は泣いているだろう
きっと、寂しい思いをしているはずだ
大丈夫だよ、と声をかけてあげて欲しい
それが、明日のあなたの幸せに
繋がるはずだから
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